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2012年1月31日 (火)

連載が始まりましたshine

12月中旬に、海の見える町に引っ越しました。
夕日がとにかく見事で、眺めていると心が洗われます。

Photo

年明けて、考古学ネタの連載が始まりました。
嬉しさのあまり、こちらにもアップしましたhappy01

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■となりの考古学 〜福岡にまつわる遺物たち〜■
第1回 子をはらむ、産むかたち
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

はじめまして。
10代で考古学と出会い、20代で専門的に学び、
今年ついに夢かなって、考古学をからめた記事を書くことになりました。

どことなくおカタいイメージのつきまとう考古学ですが、
人の想いがこもったもの、笑いがこみ上げてくるものなど、
親しみやすい遺物が土の中から顔を出すことがあります。

その一例を紹介しましょう。

:・。・:・。・:・。:・。・:・。

ふくらんだ胸、前にはり出したお腹......
けっしてメタボなおじさまではありません。                
縄文時代に作られた土偶は女性、とくに妊婦を表したものが多いんです。

妊娠土偶とよばれる、大きなお腹の土偶は福岡県内でも発見されています。

築上郡上毛(こうげ)町にある、
東友枝曽根(ひがしともえだそね)遺跡から見つかった
妊娠土偶の手足は欠けていますが、
土偶はこんなふうに壊れた形で見つかることがほとんど。
そのため、安産や病状の回復を願って作られた
「身代わり」だったとも考えられています。

この土偶、お腹が下がっているところをみると臨月間近でしょうか。
妊娠の週数が進むにつれ、ふくよかになっていく体。
わたし自身も妊婦なので、実感をこめて一言。
「妊婦って本当、こんな体型です」

ところで、百聞は一見にしかず。
東友枝曽根遺跡出土の妊娠土偶がどんな姿をしているのか、
興味のある方はどうぞ、わたしのブログを覗いてみてください。
kouko-writer.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-5bdd.html

実物は、ただいま九州国立博物館の文化交流展示室で見ることができます。
www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_mokuroku.html
本物に向き合うと、思わぬ発見があるかもしれませんよ!

:・。・:・。・:・。:・。・:・。

その昔、妊婦は命がけで出産にのぞみました。
今とは比べものにならないほど、母子ともに死亡率が高かったんです。

縄文時代の巨大な集落が発見された、
青森県・三内丸山(さんないまるやま)遺跡。
この遺跡からは、埋甕(うめがめ)という、
胎児〜生後1年の乳幼児をおさめた墓が数多く発見されました。
sannaimaruyama.pref.aomori.jp/about/index.html
その数、大人の墓の約6倍。

この遺跡で暮らした人々の平均寿命は30歳前後だったそうです。
2010年度の平均寿命は83歳ですから、なんて短い一生だったんでしょう。
(※参考:WHO 世界保健統計2010年)

今よりも世代交代が頻繁に行われていた時代、
赤ちゃんといえども、いずれは集落の存続にかかわる大切な存在でした。
宿した命、産んだ命が育たずに絶えるというのは、
親やその家族の悲しみにとどまらず、集落全体の悲しみでもあったようです。

人々が暮らしていた住居のそばに埋甕を埋めたのも
「今度こそ生まれておいで」
「すぐにでも、また産まれておいで」
そんな切なる願いの表れだったのでしょう。

:・。・:・。・:・。:・。・:・。

さて、分娩台がなかった時代、
日本女性は座産(ざさん)といって、座って子を産み落としました。
たしかに座った姿勢のほうが、
分娩台に横たわるよりも何だか力が入りやすそうです。

岩手県の東裏遺跡から見つかった、中腰の土偶は
出産している姿に見えなくもありません。
www.pref.iwate.jp/~hp0910/korenaani/a/028.html
アゴを上げ、手をぐっと握っていきんでいるのかしら。
座産を見たり、経験した人の意見を一度うかがってみたいものです。

見る人によって、見え方が違うのが土偶の魅力のひとつ。

今はネット検索で、簡単に国宝級の土偶を見物できる時代です。
縄文のビーナスや合掌する土偶、
そして教科書でもおなじみの極端に大きな目をした遮光器(しゃこうき)土偶。
個性ゆたかな土偶の中から、
あなたのお気に入りを探してみるのも楽しいかもしれません。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

......いかがだったでしょうか?
全3回の連載は『筑後川メールマガジン』でご覧いただけます。
http://fcm-design.jp/mag/
次回は、2/16の掲載です♪

未知数のわたしに、チャンスを与えてくださった方々に深く感謝しておりますshine


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コメント

はなるさんnotes読んでくださってありがとうございます。
天井から綱がぶら下がった分娩畳!座産をしそうになった?!
おぉ〜!すごく気になりますhappy01
ぜひ次回お会いしたときに出産のお話を聞かせてくださいshine

楽しく読ませていただきました!土偶、おっもしろいですよね。なんだか見てると癒される。というか、なぜあんなに不細工なお顔&お体があんなふうにモデルになったのか、疑問ですが、最近たまに感じることは、古代はステキと思われる体系が違ったのかもしれないということ。そんなにたくさんのこどもが亡くなっていったのであれば、子孫繁栄のためにふくよかで安産な女性が好まれたのかもしれませんね。ふくよかな方がおモテになるのは、今でもどこぞの国ではあると言われますし、日本でも美人の「枠」が昔と今とでは変遷があるといいます。座産、一人目の時、しそうでした。天井から綱がぶら下がった分娩畳?で、しばらく踏ん張ってましたよ、私。またリアルにお会いして話したいですね!!!やぁ~面白かったです。

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